アンドロメダ座 Andromeda(And) 


 ペガススの四辺形の左上隅の星から北東方向に並ぶ3つの明るい二等星が見えます。これが古代エチオピアの王妃カシオペヤの自慢の犠牲となって、海のお化けくじらティアマトの生贄にされかかったアンドロメダ姫をかたどったアンドロメダ座です。星座絵は、生贄として海辺の大岩に縛られている状態が描かれています。
 アンドロメダ姫の神話は、カシオペヤ座に書かれていますので、ここでは割愛します。
 月明かりがない夜に、夜空の暗い所に行ってみてください…アンドロメダ座の左腰のあたりにある二等星β星(ミラク)から上にμ星、ν星と辿っていくと、ν星の脇に200万光年彼方にあるアンドロメダ銀河が淡い光を放っているのが分かります。これは肉眼で見える最遠の天体で、大きさは満月の5つ分もある巨大な銀河です。
 この銀河を見るには、望遠鏡より肉眼や双眼鏡をお勧めします。満月の5倍という大きさから、倍率が低くて、視野が大きくとれる双眼鏡のほうが、大銀河をみているという実感が湧くと思いますよ。
 さて、このアンドロメダ銀河ですが、実は20世紀初頭まで、はっきりと銀河系外の天体である証拠なく、もしかしたら銀河系内の天体ではないかと思われていました。しかし1923年にエドウィン=ハッブルが、アンドロメダ銀河内のケフェウス座δ変光星から90万光年という距離を計算し、この時初めてアンドロメダ銀河は銀河系外の天体であることが証明されました。その後、データの蓄積により230万光年という数値が確定しています。
 また、アンドロメダの左足先に輝くγ星アルマクはオレンジの2等星と青緑色の5等星の美しい二重星です。さらにγ星からさんかく座の方向に散開星団NGC752も見られます。