わし座 Aquila(Aql) 


 わし座はこと座と天の川をはさんだ対岸側にある星座で一番明るい星はもちろんアルタイル・・・牽牛ですね。
 よく見るとアルタイルの脇には両側にそれぞれ一つずつの星が見えていますが、昔のアラビアではこの3つの星だけで翼を広げて飛ぶ鷲をイメージしていたようです。日本では両脇の星を犬や牛に見立てて「犬飼い星」とか「牛飼い星」と呼ばれていたようです。そういえば、牽牛は牛飼いという意味でしたので、なんとなく納得してしまいます。
 ところでこの鷲のモデルは、ギリシャ神話でゼウスがトロイアの王子ガニメデという美少年を神の宴の給仕をさせるために連れ去るように使わした鷲と言われています。このガニメデはみずがめ座に描かれている少年のモチーフとなっており、星座絵の中でもわし座はみずがめ座の方向を目指して飛んでいるように描かれています。
  またアルタイルは非常に自転速度の速い星で、太陽の1.7倍の大きさながら、わずか7時間で1まわりすることが観測から明らかになっています。太陽が約1ヶ月で一回りするのに比較すると、とんでもない早さですね。ですからアルタイルは赤道方向にややつぶれたみかんのような形になっていると考えられているようです。 またベガに遠慮してか、同じ1等星ながらベガよりは少々控えめに輝いているのも人間世界と同じで女性が明るいという感じにとれますね。