やぎ座 Capricornus(Cap) 


 やぎ座は、日本からは南天やや低い場所に見られ、南側に光害の影響が大きい場所は見づらいですが、光害のない南の開けた場所では、秋の星座のご定番通り明るい星は少ないですが…意外と分かりやすい星座です。見つけ方としては、こと座のベガ(織姫)とわし座のアルタイル(牽牛)を結んで、その方向に同じ長さ分だけ伸ばした先に見える三角形の星の並びがやぎ座です。
 神話では、山羊の顔をして角とひげを生やした陽気な音楽好きの牧神パーンが化けた姿と言われています。神々がナイル川の脇で酒盛りをしていた最中に、怪物テュフォンが突然現れ、神々を襲います。神々は慌てて川に飛び込み、逃げようとします。うお座とか南のうお座になっているモデルもこの時に逃げ出した神々ですね。さて、パーンも他の神々同様に川に逃げようと化けましたが、余りに慌てていたため化けそこなって、下半身は魚になったものの、上半身は山羊のままという可笑しな姿になってしまいました。これを見たゼウスがその姿を記念して星座にしたと言われています。
 さて、何か事が起こった時に慌てて自分を見失うことをパニックって言いますよね。この言葉は、慌てて可笑しな姿に変身した牧神パーンからきているようですよ。
 また別の話では、古代は冬至点がやぎ座にあったので、太陽がこの星座にかかる冬のころは雨と洪水の季節だったため、半分を魚の姿にしたとも言われています。
 またこの星座の形…逆三角形はギリシャでは人間の魂がここを通って天国に行く神々の門と言われていたそうです。
 やぎ座のα星は山羊の頭付近に輝く3等星ですが、肉眼でも2つの星が見える二重星です。またやぎ座は太陽系最果ての惑星「海王星」が1846年に発見された場所でもあります。