りゅうこつ座 Carina(Car) 他とも座 らしんばん座 ほ座 


 りゅうこつ座はかつてアルゴ座という巨大な船の星座の一部でしたが、あまりに巨大な星座だったので、18世紀にフランスの天文学者ラカーユによって、ほ座、とも座、りゅうこつ座、らしんばん座に分割されたものを、1922年に国際天文学連合が現在の88星座を定めた際に、ほ座、とも座、りゅうこつ座、らしんばん座と正式に決められました。もっともラカーユの星表のなかで、アルゴ座の一部分の名称として、この部分が船体と書かれています。
 ところで元の星座、アルゴ座のアルゴー船は、船大工でプリクソスの子であるアルゴスが建造したものと言われ、彼の名前からアルゴー船と呼ばれるようになりました。アルゴー船はイオルコスの王子イアーソンが、黄金の羊の毛皮を求める冒険に出るために建造された船で、乗組員には勇者50人が募集され、ヘラクレス、カストルとポルックスの双子の兄弟他腕に覚えのある英雄や猛者たちが乗り組んだと伝えられています。
 イアーソンは、その後様々な冒険や苦労を経て黄金の羊の皮を手にすることができました。この遠征隊の記念として、アルゴー船は星座となっています。
 さて、りゅうこつ座にはカノープスという全天で2番目に明るい恒星が見られますが、南の空低く、東京でも南中高度は3度に過ぎません。また低い高度でしか見られないので、本来は白い星ですが、赤っぽく見えてしまいます。中国ではこの星を「南極老人星」と呼び、一目見た人は長生きできると言われています。
 また、とも座にはM46とM47という2つの散開星団が並んで見えます。とも座に所属していますが、実際はおおいぬ座のシリウスから探したほうが手っ取り早いかもしれません。