カシオペヤ座 Cassiopeia(Cas) 


 カシオペヤ座は目立つ星が少ない秋の星座の中では、1、2を争うくらい分かりやすい星座です。北極星を挟んで、おおぐま座の北斗七星のほぼ反対側にある星座で、M型あるいはW型に見える星の並びがカシオペヤ座です。
 神話では、カシオペヤは古代エチオピア王国の王妃で、娘アンドロメダと自分の器量の良さを自慢しすぎて、つい「自分の美貌は、海の妖精さえ足元にも及ばない」と言ったため、海神ポセイドンが腹を立てて、エチオピアの街に海の怪物ケートス(お化けクジラ=くじら座)を送り込み、大暴れさせたそうです。困り果てたケフェウス王(ケフェウス座)は、神託を立てたところ…娘のアンドロメダを生贄として怪物ケートスに捧げないといけないとのことでありました。
 哀れアンドロメダは神託に従って、生贄として海を臨む崖につるされたが、ケートスに襲われる直前に勇者ペルセウス(ペルセウス座)により助けられたということです。
 しかし海神の怒りは収まらず、罰として逆さまのいすに座り、両手をあげたまま、地平線下に沈むことなく天の北極の周りを回る運命になったということです。
 さて、日本ではその形から、日本では山形星(山形県の星ではありませんよ)、いかり星(船の錨に似ているから)、アラビアでは足を折っているらくだ、エジプトでは脚、また古代ギリシャではラコニヤのカギと呼んでいました。また天の川の中にあることから、様々な散開星団などが見られます。
 ところで1572年にγ星から北極星の方向に向かった場所に超新星が出現しました。この超新星は発見者の名前をとって「チコの星」と呼ばれています。最大光度は-4等となり、金星と同じくらいの輝きを見せていたと伝えられています。