いるか座 Delphinus(Del) 


 夏の夜空に輝く夏の大三角のひとつ、アルタイルの脇に4等星と5等星からなる小さなひし形の星の並びがいるか座です。どちらかというと暗い星でできた星座なのですが、なぜか妙にわかるのは、天頂付近をとおるからかもしれません。このひし形のような星の並びは、日本でも「菱星」などといわれてきました。星座絵では、かわいいいるかの飛び跳ねたような姿が描かれています。
  ギリシャ神話では、コリントスに住んでいたアリオンという音楽師がシシリアの音楽祭で優勝をして賞金を持って帰る途中に、船乗りたちが金に目がくらんでアリオンを殺そうとします。音楽は出来ても武芸の心得のないアリオンは最後に竪琴で曲を弾かせてほしいと願い出ます。それを船乗り(海賊)たちは許したのですが、彼の弾く竪琴に沢山のいるかたちがやって彼の曲に聞き入っていました。やがて曲を弾き終わると覚悟を決めたアリオンは海にその身を投じました。しかし船の周りを泳いでいたいるかたちがアリオンを助け、無事にコリントスまで送り届けたということです。それを見ていた神々はいるかの功績を称えて星座にしたといわれています。
 さて、この星座ではいるかの目に当たる場所にあるγ星を見てみましょう。黄色と青緑に輝く綺麗な二重星が見えますよ。