りゅう座 Draco(Dra) 


 北の空に輝く北極星・・・こぐま座を取り囲むようにして見えるのがりゅう座ですが、その大きさの割りに分かりにくい星座です。ただ、ベガの北側にある小さな四角形を見つけることが出来れば、それは竜の頭でそこからグネグネと星をつなげていけば竜の大きな姿が見えると思います。
 この星座のモデルは、「ヘスペルデスの園」にある黄金のりんごの番をしていた100の頭をもつ竜と言われていますが、ヘラクレスの12の難行のひとつ「金のりんごを取ってくる」冒険の際にヘラクレスによって倒された(あるいは昼寝をしている最中にまんまとヘラクレスに盗まれた)少々さえない竜です。
  この星のα星ツバーンは4等星で、少々暗い星ですが、この星は今から約4600年前には天の北極から1度の位置にあり、北極星とみなされた星です。 これは地球の歳差運動が関係しており、現在の北極星も西暦2100年ごろに最も天の北極に近づき、その後はどんどんと離れていくようになります。やがて西暦11500年ごろには、はくちょう座のδ星、西暦14000年ごろにはベガが北極星となります。 この歳差運動の中心点である黄道の北極はりゅう座のδ星とζ星の中間付近に位置しており、この点を中心に約26000年かかって地球はユックリと首振り運動をしているのです。
 さて、目立たないりゅう座ですがこの星座にはいくつか流星群が見られます。有名どころとしては、1月3日〜4日に流れるりゅう座ι流星群あるいはしぶんぎ座流星群と呼ばれるもので、もうひとつは10月上旬に見られるジャコビニ流星群です。 りゅう座ι流星群は比較的安定した量の流れ星が流れますが、ジャコビニ流星群はしし座流星群と同様に母彗星であるジャコビニ彗星の周期によるところが大きいため、当たり年をみるようにしたいものです。