ヘラクレス座 Hercules(Her) 


 ヘラクレス座は「12の荒業」を成し遂げた英雄とは思えないくらい目立たない星座で、最大でも3等星でできた星座です。冬の星座の英雄であるオリオン座があそこまで目立つと少々寂しいですね。おおよその位置は、こと座(織姫星のベガがある)とうしかい座やかんむり座にはさまれたHの字とそのやや南に輝く赤い星を結ぶとヘラクレス座の胴体となり、それなりに星座のイメージが掴めるようになると思います。赤い星はヘラクレス座のα星でラスアルゲチ(ラスアルファゲィ)と呼ばれています。これは約400光年彼方にある星ですが、太陽の500倍程度の赤色超巨星であり、望遠鏡でみると脇に青い6等星が輝いています。
この星座の見所は、M13という球状星団でしょう。空が綺麗にすんだところでは肉眼でも見えるような巨大な球状星団で、小望遠鏡でも無数の星が球状にびっしりと詰まっているのが見え、壮観な眺めです。
なお、M13までの距離は23,500光年、100億年前後の星が数十万個、直径100光年程度に密集しているのが実の姿です。星の老人ホームといった感じでしょうか。
また、太陽系はヘラクレス座の方向に進んでいるといわれています。