ペルセウス座 Persei(Per) 


 ペルセウス座は夏の夜半過ぎにカシオペヤに引き続いて北東の空に昇ってくる星座で、モデルはもちろんアンドロメダ姫の窮地を救った英雄ペルセウスです。星座絵では、右手に剣を持ち、左手に見たものを石に変えるというメドゥサの首を持った姿で描かれています。星座としてはカシオペヤほど分かりやすくはないものの、星の並びを繋いだら意外と覚えやすい星座です。
 ペルセウスの活躍はアンドロメダ姫を救う話が有名ですが、そもそも宇宙戦艦ヤマトの波動砲にも匹敵する必殺のメドゥサの首はどのようにして手に入れたのか気にはなりますね。メドゥサは元々は美少女だったのですが、ある事件がきっかけで女神アテナの怒りを買って、髪の毛が蛇の醜い姿に変えられてしまいます。 一方、ペルセウスは母親を住んでいる島の王に取られ、取り戻すにはメドゥサの首を持ってこないといけないことになりました。それを見たアテナが武器を貸し与え、ペルセウスはメドゥサの首を取りに行きます。
 さて、見るものを石に変えるメドゥサの首を取るため、ペルセウスは剣を鏡代わりにして、盾で身を隠して彼女に近づき、一刀で首を切り落とすのです。その時に飛び散った血が岩につくと、そこからペガサスが生まれたのです。
 アンドロメダ姫を助けたのち、ペルセウスはアテナに借りた武器を返す際に、それといっしょにメドゥサの首と天馬ペガススをアテナに献上します。アテナはメドゥサの首を自らの盾に埋め込み、これをアイジス(イージス)と名付けます。現在、アメリカをはじめ、日本の海上自衛隊にもあるミサイル巡洋艦(護衛艦)をイージス艦と言いますが、アテナの持つあらゆる邪悪から自らを守る盾という意味でこの名前を付けているそうです。
 さて、そのメドゥサの首に輝くアルゴルという変光星があります。これはお互いの星がかくれんぼをしながら明るさを変える食変光星で、2日と20時間48分の周期で、2.1等〜3.4等まで規則正しく変化します。
 そしてペルセウスの持つ剣の辺りには、ペルセウス座二重星団(h-χ)が見られます。望遠鏡の高倍率では二つ同時に見ることはできませんが、双眼鏡であれば綺麗な二重星団が見られると思います。
 最後に、この星座で最も有名なものが夏のお盆前(8月12日〜13日)に見られるペルセウス座流星群です。これはスイフト・タットル彗星を母彗星とし、1時間に50〜60個の流れ星が夜空を流れる三大流星群の一つです。