おとめ座 Virgo(Vir) 


 おとめ座は春の大曲線の終点に純白色で輝く1等星スピカの周辺に広がる全天で2番目に大きな星座です。しかしスピカ以外に目立つ星もないので全体を肉眼で見るには難しいかもしれません。
この星座のモデルは豊穣の女神デーメテールあるいはその娘ペルセポネと云われています。ペルセポネが妖精と花を摘んでいるときに、冥界の王ハデスに略奪され、妻にされましたが、それを聞いたデーメテールが激怒し、ゼウスに娘を返すように迫ったようです。ハデス(ゼウスの弟みたいですね)はしぶしぶ承諾しましたが、冥界のザクロを4粒ペルセポネが食べたため、年のうち8ヶ月は天上で、残り4ヶ月は冥界で暮らすこととなり、穀物が育たない冬が生まれたと云われています。
さて、おとめ座からかみのけ座にかけてはおとめ座銀河団、かみのけ座銀河団など、半径数千万光年の範囲に2000〜3000個の銀河が浮かぶ銀河の巣があります。小望遠鏡でも見つけやすいメシエ天体も数多くあるので、興味のある方はぜひ探してもらいたいものです。もし肉眼でその光を捉えたなら、その光は人類が地球上に登場するはるか以前の光だということがわかってもらえたら、宇宙の広さの一端が分かるかもしれませんね。