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初めて星を見る人に  空を見上げてみよう!

双眼鏡で星空を見る

星を見るのにお手軽な方法は、やはり肉眼ですが、もっともっと見てみたいと考えたとき双眼鏡や望遠鏡が必要となります。ここでは、双眼鏡の簡単な説明と双眼鏡で見るお勧め天体を簡単に紹介します。

   口径(cm) 分解能(秒)   限界等級  集光力
 肉眼 0.7   60  1
 双眼鏡  5  2.5  10.3  50
 望遠鏡(小)  10  1.3  11.8  200
 望遠鏡(中)  40  0.3  14.8  3,300
 望遠鏡(大)  200  0.06  18.3 80,000 

上の表は、肉眼と比較しての双眼鏡・望遠鏡の能力を示したものです。ところでこれは理論値であって実際はこの値より小さくなると考えられています。(もちろん見慣れた観測者と素人によっても違います)
まず、星を見ようと思ったら暗闇に目を慣らさないといけません。
人間の瞳(瞳孔)は明るいときは狭く、暗いところでは広がるようにできています。上の表での肉眼の口径は瞳孔が最大限に開いたときを示しています。
皆さんも経験があるように、明るいところから暗いところに急に入ると、目が見えなくなる現象や、逆に暗いところに急に明るい光が入るといつも以上にまぶしいと感じるのは、暗闇では瞳孔が最大限に開いているからです。

双眼鏡の利点!

では、早速双眼鏡で星を見てみませんか?え、星って望遠鏡で見たほうが綺麗なのでは?・・・星を見るには、天体望遠鏡とパブロフの犬みたいに条件反射的に言う勿れ。実は双眼鏡の方が利点がある点もあるんです。
まず、正立像で見える。
広い範囲を両目で見れる。
小型なので、自由にどこでも見れる。
寝ても立っても椅子に座っても好きなスタイルで見れる。
昼間には、バードウォッチングなどにも使えて、汎用性が広い
比較的安い

てなわけで、双眼鏡の魅力を見てみよう。

双眼鏡解説

まず、双眼鏡の種類は大きく分けてガリレオ式と、いわゆる一般的なプリズム式の2種類があります。
ガリレオ式は、難しそうななまえですが・・・要はオペラグラスです。よく競技場などに持っていくあれですね。
この双眼鏡は、持ち運びが便利で容易に正立像が得られるのですが、その機構上倍率をあまり高くできないというデメリットがあるため天体観測には殆ど使用されていません。
従ってここでは、天体観測に適したプリズム双眼鏡に限って話をしたいと思います。

今はほとんどこの形式です

まず、プリズム方式双眼鏡ですが私の愛用機を例に話を進めましょう。これが私の愛用機です。
 口径50mmで倍率は7倍。いわゆる一般的な普及版です。双眼鏡の性能は口径によって決まります。口径が大きいほうがより多くの光を集めることが可能だからです。
 双眼鏡の倍率は、7倍から25倍・・・あるいは30倍まで色々ありますが無難なところで7倍程度に抑えておいたほうがよいと思います。
倍率が高いとそれだけ手ぶれなどの影響を大きく受けて、まともに対象が見られないからです。最近は手ぶれ防止機能がついたものも発売されていますが、私は使ったことがないので何ともいえません。どうしても高倍率の双眼鏡がいいと思う人は、三脚台とか、双眼鏡を三脚台に固定するピノホルダーなどを購入されたほうがよいと思います。(右写真参照)役に立ちます
それ以上の口径の双眼鏡は重量の件も考えてください。
口径が100mmを超えると、ちょっと持って観測というのは苦しいかもしれません。(腕を鍛えることにはなるかもしれませんシュワちゃんを目指すにはいいかもね
ちょっと写真が、暗いですね。
失礼しました。



次に双眼鏡の性能表示について見てみたいと思います。

双眼鏡の写真です

これが私の双眼鏡の表示ですが、まず一番最初が「7×50」とあります。これが口径50mmの7倍双眼鏡ですよという意味ですね。
次に「FIELD 6°」と書かれていますが、これは視界(実視界)が6°あるという意味です。
次の表示は、視界(実視界)が6°ということは、1000m向こうの風景が見える範囲は105m範囲ですよという意味です。
次は、レンズをマルチコーティングしています・・・てな表示ですね。

ここで多くの双眼鏡に用いられている7倍50mmというのは適当に決めたものではありません。
双眼鏡を明るいほうに向けて数十センチ話して接眼部を見ると、小さい丸が見えると思います。これは双眼鏡の「ひとみ」でその直径が「ひとみ径」といわれているものです。これは口径÷倍率で計算されて、この双眼鏡の場合、50÷7=7.・・・・となります。
一方人間の目の瞳孔は最大7mm(暗闇で)といわれています。
つまりこの双眼鏡で集められた光は、ほぼ無駄なく人間の瞳孔に入っていくのです。
ですから50mmの双眼鏡で普及している倍率が7倍というのはそれなりに根拠があるみたいです。興味がある人は探してみてください

双眼鏡の使い方

双眼鏡の使い方ですが、人それぞれ個人差はあるでしょう。もっとも、手にすればすぐ見れるのが双眼鏡の大きな利点ではあるでしょう。
私の場合は最初に目幅を調整して(たいていの双眼鏡はできます)います。
両目で双眼鏡を覗き、双眼鏡の中央を折り曲げるようにして像がぴたりと重なるように調整します。
次に、ピント合わせです。
左右別々にピントを合わせる双眼鏡と、一度に両方合わせることのできる双眼鏡とありますが、私の双眼鏡は中央のダイヤルで両方ピントを合わせる型のようです。
この場合、左右で極端に視力の違う人だと困りますね。

最後に、双眼鏡といってもずっともって星空を見るには少々つらいので、前述したようにカメラ三脚と固定するフォルダーを購入して三脚に固定するとさらにいっそう楽しむことができると思います。
購入のポイントとして、実際に買うときに見せてもらって遠くの景色(鉄塔など)やビルの縁が視野周辺でも歪まないもの(収差が少ないもの)を選ぶこと、また自分の両目にあった角度に開くものを選ぶことが重要だと思います。

双眼鏡で見るお勧め天体!

さてさて、憧れの双眼鏡を手に入れたら早速空に向け見ましょう。でもその前に、昼間に地上の風景を見て、双眼鏡と自分のくせを確認しておくほうがいいでしょう。(私の経験上)例えば自分が見たいところに双眼鏡を向けているはずなのに中々見られないというのはよくある話です。
それを繰り返して、双眼鏡を自分の目のように扱えるようになったらしめたものです。
双眼鏡で見る天体は、星団や星雲が適しています。特に夏の天の川中央付近には、干潟星雲(M8)をはじめとして、双眼鏡にぴったりの星雲が目白押しです。
望遠鏡と違って、広い視野をゆっくりと見渡せるので、まさに星空散歩にぴったりともいえます。
また、はくちょう座のアルビレオ(二重星)や木星の衛星も見えるかもしれません。たまに地球を訪れる彗星を見るには最高の道具です。
もし機会があれば、月食も見てみたらどうでしょうか?肉眼よりはっきりと月が地球の影に入っている様が見れると思います。
では、双眼鏡ですばらしい星空散歩をしてください。
GOOD LUCK!

望遠鏡とは違った楽しみ方ができますよ

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