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初めて星を見る人に  空を見上げてみよう!

星座を見る

星座というと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?冬の寒い中に凛として輝く「オリオン」でしょうか?夏の夜空に大きく羽ばたく「はくちょう」でしょうか。あるいは南の空に大きく弧を描く「さそり」でしょうか?あるいは春霞の中に天を駆ける「しし」でしょうか?
現在、全天には88の星座があり、日本では全部あるいはその一部が見える星座は沖縄県最南端まで含めたら、なんと84あり、南へ行けば行くほど数は多くなります。また星座全体が見えるものは70程度です。(観測地の緯度により大きく異なりますが・・・)
ここでは、主だった季節の星座の紹介とその見どころを紹介します。
紹介の詳細は、ふっくんがたまにお手伝いに行っている岡山県西部の美星天文台でのベランダでの星空紹介と同じような感じになるかもしれません♪

星座の起源と歴史

星座の起源は紀元前3,000年頃に、西アジアのメソポタミア地方(現在のイラク周辺)、バビロニアの羊飼いたちが仕事の合間に空に見える星を結んで、さまざまなものを形作ったのが最初だと言われています。やがてギリシャ時代には、神話に出てくる英雄、動物や日常使われる器具が星座として形作られ、これによって空に輝く星のほとんどが何らかの形で星座に含まれるようになりました。
その後、アレキサンドリアのプトレマイオスがそれまでの星座を48星座に整理し(プトレマイオス(あるいはトレミー)の48星座)、これが1500年もの間用いられてきました。やがて17世紀にはいるとドイツのバイエルが南天の星座を12個新しく作りこれに追加しました。加えてフランスのラカイユも南天の星座を14も付け加えました。
しかし17世紀から18世紀にかけてあらゆる天文学者が星座を追加していったために多いときには全天で100を超える星座がひしめくようになり、またどの星座にも属さない星、2つの星座に属する星、星座の境界線があやふやなど夜空の星座は大混乱をおこしたわけです。その風潮は、19世紀になって反省され、次第に夜空の星座は整理されることになりました。

やがて20世紀になって天文学が発達すると、星の位置を正確に求める必要が迫られてきました。また、星座の間にもきちんとした境界もなく、暗い星がどこの星座に属しているのかもあやふやだったので、1930年の国際天文連合で、全天の星座を88に整理しなおし、また、万国共通の星座境界線を定めました。

もちろん星座はギリシャだけのものではありません。中国にも二十八宿という中国独自の星座がありましたし、日本でもオリオン座のことを鼓星といっていました。ほかにもぎょしゃ座のことをごかく星、かんむり座のことを首飾り星とか・・・さそり座は魚つり星と言っていたそうです。

 

黄道十二星座

「黄道」とは太陽の通り道・・・つまり地球の公転のため、地球からの見かけ上、太陽は星々の中を少しずつ移動していくように見えます。その通り道を「黄道」と称しているのです。そしてこの黄道を12分割したものを12の離宮(黄道12宮)といい占星術の元となったのです。そしてそれぞれの区分したエリアにある星座を黄道12星座と呼ぶようになりました。ただ、黄道12宮は360度を均等に12等分したのに対して、黄道12星座は黄道を均等には分けていません。ですから2つのエリアは厳密には違います。また加えて地球の歳差運動により、現在では黄道12星座と黄道12宮は1つ分くらいのずれを生じています。(具体的には、黄道12宮が生まれた当時の春分点はおひつじ座(白羊宮)にあったのですが、現在はうお座(双魚宮)にある)

和名  ラテン語  星占い期間  太陽がある期間
(2001年)
 おひつじ座  Aries  3/21〜4/19  4/19〜5/13
 おうし座 Taurus   4/20〜5/20  5/14〜6/20
 ふたご座  Gemini  5/21〜6/21  6/21〜7/20
 かに座  Cancer  6/22〜7/22  7/21〜8/10
 しし座  Leo  7/23〜8/22  8/11〜9/16
 おとめ座  Virgo  8/23〜9/22  9/17〜10/30
 てんびん座  Libra  9/23〜10/23  10/31〜11/22
 さそり座  Scorpio  10/24〜11/22  11/23〜11/29
 (へびつかい座)  Ophiuchus  -  11/30〜12/17
いて座   Sagittarius  11/23〜12/21  12/18〜1/19
 やぎ座  Capricorn  12/22〜1/19  1/20〜2/15
 みずがめ座  Aquarius  1/20〜2/18  2/16〜3/11
 うお座  Pisces  2/19〜3/20  3/12〜4/18

なお、○○座生まれの人が、自分の星座を見ようと思っても、誕生日前後はみることはできません。それは誕生日のときに太陽が位置する星座が星占いでいう生まれ星座であるからです。地球の歳差運動により、星座ひとつ分ずれたとはいえ、見ることはできないことに変わりはありません。
もし、自分の生まれ星座を見たいと思うのであれば、誕生日の約4ヶ月前の20時に南の空に見えていると思います。黄道12星座は、比較的分かりやすい星座が多く、星座の全体像が捕まえられなくとも、なんとなくあの位置かなというのは分かると思います。また太陽と同様、惑星もこの星座に沿って動くので、大体の位置は分かるのではないでしょうか?

ここからは、各季節の星座について、黄道12星座や意外と見つけやすい星座(といっても美星天文台でふっくんの独断と偏見で紹介している星座がメインです)について紹介します。星空の目印のページと重複することもあるかもしれませんが、もう少し星座の具体的な姿を伝えていこうと思います。

季節の星座(春)

おおぐま座 Urasa Major(UMa)

北斗七星がはっきりと分かる春の代表的な星座です。神話の中では哀しい母熊となっています。

こぐま座 Urasa Minor(UMi)

北斗七星の小型版のように見え、北極星がある星座です。おおぐま座とは親子の関係です。

かに座 Cancer(Cnc)

黄道12星座の中でも目立たない星座ですが、プレセペ星団は非常に美しい星団です

しし座 Leo(Leo)

比較的探しやすい形の整った星座です。33年毎に大流星雨となる「しし座流星群」が有名です。

からす座 Corvus(Crv)

アポロンのおしゃべりカラスがモデルです。口は災いの元ですよ〜♪

うしかい座 Bootes(Boo)

春の大曲線の中継点にある星座です。ネクタイのような星の並びが目印です。

おとめ座 Virgo(Vir)

黄道12星座のひとつ。モデルは農業の神デーメテールなど諸説あります。おとめ座銀河団など、銀河の宝庫です。

うみへび座 Hydra(Hya)

88星座で最大の大きさを誇る星座です。日本では南の空低く、見つらいですが、でかいです。

りょうけん座 Canes Venatici(CVn)

牛飼いの持つ二匹の猟犬が描かれています。銀河やコルカロリという美しい二重星があります

季節の星座(夏)

ヘラクレス座 Hercules(Her)

名前の割に、目立たない星座ですが、神話の中では縦横無尽に活躍する英雄です。初夏の天頂に見えますよ。

てんびん座 Libra(Lib)

人間の善悪を裁くため正義の女神アストレアの使った天秤をかたどった星座ですが、かつてはさそり座の一部でした。

さそり座 Scorpius(Sco)

夏の代表的な星座で、南の空が開けていれば美しい曲線を描く星座が見えることでしょう。

いて座 Sagittarius(Sgr)

天の川銀河系の中心方向に見える星座です。天の川の中にある星雲たちと併せて楽しめる星座ですね。

へびつかい座 Ophiuchus(Oph)

天の川の脇に見える比較的大きな星座です。五角形の星のならびの脇にへび座が見えています。

りゅう座 Draco(Dra)

こぐま座を囲うように見える大きな星座です。最初は分かりにくいですが、分かれば簡単に見つけられます

かんむり座 Corona Borealis(CrB)

うしかい座の脇でUの字に見える星の並びです。明るい星はひとつですが意外と目立つ星座です。

こと座 Lyra(Lyr)

おりひめ星(ベガ)を有する星座です。また彦星から貰った指輪?をひそかに隠し持った星座です♪

わし座 Aquila(Aql)

アルタイル・・・彦星(牽牛)を有する星座です。織姫に比べて控えめに輝いていますよ。

はくちょう座 Cygnus(Cyg)

ベガ、アルタイル、はくちょう座のデネブで夏の大三角!他にも見所たくさんの星座です

いるか座 Delphinus(Del)

目立たない星で出来ていますが、意外と見つけやすくわかりやすい星座です。

季節の星座(秋)

やぎ座 Capricornus(Cap)

星座絵では、頭と胴体がヤギ、下半身は魚という面白い形をした星座ですが・・・その由来は?

みずがめ座 Aquarius(Aqr)

88星座では10番目の大きさですが目立たない星座で、なかなか全体像をつかめない星座です。

うお座 Pisces(Psc)

親子の魚がリボンで結ばれた星座ですが、みずがめ座同様目立たない星座です。

おひつじ座 Aries(Ari)

プレアデス星団(すばる)の西にある星座で、空飛ぶ金毛の牡羊です。

みなみのうお座 Piscis Austrariuns(PsA)

秋の唯一の一等星フォーマルハウトが口の部分に光っています。みずがめの水の終点にある星座です

ケフェウス座 Cepheus(Cep)

アンドロメダ姫の父親でカシオペアの旦那にあたる古代エチオピアの王の星座です。

カシオペア座 Cassiopeia(Cas)

有名なWの形をした星座で、秋〜冬にかけて北極星を探すことができると習いましたね。

アンドロメダ座 Andromeda(And)

ケフェウスとカシオペアの娘であわや生贄にされかけたところを、ペルセウスに助けてもらう王女様です。

ペルセウス座 Persei(Per)

右手に剣、左手にメドゥサの首を持ち、化けクジラの生贄とされたアンドロメダ姫を救った英雄です。

ペガサス座 Pegasus(Peg)

ペルセウスが乗った天馬です。胴体の部分の秋の四辺形は様々な秋の星座を探す目印になります。

くじら座 Cetus(Cet)

アンドロメダを襲うお化けクジラ…でも、私たちが考えるクジラとは似ても似つかぬ姿です。

さんかく座 Triangulum(Tri)

おひつじ座、アンドロメダ座、ペルセウス座に囲まれた三角の星の並びです。

季節の星座(冬)

おうし座 Taurus(Tau)

意外と分かりやすい星座です。プレアデス星団がおうしの肩のあたりで輝いています

ふたご座 Gemini(Gem)

ほぼ同じ明るさの星が2つ仲良く並んでいます。兄より弟のほうが若干明るいでしょうか。

オリオン座 Orion(Ori)

冬の代表的な星座で、星の一生を1つの星座で辿れます。日本では、その形から鼓星と呼ばれていました。

ぎょしゃ座 Auriga(Aur)

冬の天の川の中にあり、様々な星団が見られます。星座自体も五角形でわかりやすい形です。

おおいぬ座 Canis Major(CMa)

オリオン座の南にある星座で、全天一明るい恒星シリウスが光り輝いています。

こいぬ座 Canis Minor(CMi)

星2つで構成される小さな星座で、1等星プロキオンは、冬の大三角の一つの星です

いっかくじゅう座 Monoceros(Mon)

冬の大三角に囲まれた星座で目立ちませんが、一角獣は大きな幸運が舞い込むと言われている伝説上の動物です。

エリダヌス座 Eridanus(Eri)

オリオン座の足元から南に流れる川の星座で、沖縄地方を除き日本から全てを見ることはできません。

りゅうこつ座 Carinae(Car)

昔のアルゴ座が分割した星座で、他に、とも座。ほ座、らしんばん座があります。全天で二番目に明るい恒星のカノープスが白く輝いていますが、日本では南天低く赤っぽい星にしか見えません。

うさぎ座 Lepus(Lep)

オリオンの足元で踏みつけられたように見え、南天低いのですが見つけられたら意外と分かりやすいかも。

きりん座 Camelopardalis (Cam)

一番明るい星が4等星と、北の空で一番目立たない星座です。

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