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初めて星を見る人に  空を見上げてみよう!

(番外編)太陽を見る

綺麗な夕焼け空です!

 太陽を見るのは、夜空の星を見るのとは全く違う準備が必要です。
 まず、太陽は他の恒星や惑星と違い極端に・・・桁違いに明るい星です。ですからまともに望遠鏡で見ると目を焼いてしまいます。(簡単に言うと失明する)
 夜の星を見る際には、出来るだけ大きな口径の望遠鏡といいますが、太陽の場合は全く逆で、通常は対物レンズに絞りをつけて、さらに接眼レンズに太陽フィルターという黒くて厚いフィルターをつけて見ます。
 それでも、うっかり付け忘れると(特にフィルター)失明の危険があるので、メーカ等では太陽を写して見れる盤(太陽投影板)などで太陽観察してくださいと言っています。それくらい危険なものなのです。
 最近は、そういうことから太陽投影板を使用する例が多いです。まずないとは思いますが、非常に強烈な光で、万が一減光レンズが割れでもしたら大変ですからね。太陽投影板でも黒点等の観測には十分です。
 以下の写真は、太陽投影板で見た太陽です。2007年に撮影したものですが、黒点は写っていません。この写真は美星天文台の協力で撮影しました。

太陽は直接見ると危ないので、このように間接的に観察してください!

と、それくらい脅しておいて・・・気をつけてくださいね!

一般的には、公開博物館にたまにある太陽望遠鏡(まず安心)で眺めればいいと思います。
岡山なら、県西部の鴨方町にある岡山天文博物館やその北にある美星天文台(こちらはモニターで見れる)などに行かれたらどうでしょうか?

まず、太陽の見所といいますか・・・それを見ていきましょう。

太陽黒点

太陽黒点の写真です!

 太陽を見るときに、ひとつの目玉として挙げられるのが太陽黒点です。黒点は太陽の表面に現れるほくろのような黒い模様で、およそ11年周期で増減することが知られています。太陽黒点がたくさん観察される時期・・・この時期には太陽活動が活発な時期と考えられています。
 黒点は太陽表面に現れた黒い斑点ではありません。黒く見えるのはその付近だけ温度が4000度程度(太陽表面は5700度)のため周囲より暗くなり、結果として黒く見えると考えられています。また黒点が単品で姿を現すことは少なく、たいていの場合は集団で発生します。もうひとつ・・・ごくまれに土星サイズや木星サイズの黒点が現れることがあります。これは「肉眼黒点」といわれ、望遠鏡など使わなくても見える黒点です。太陽めがねなどで見てみましょう。繰り返しになりますが、間違っても「裸眼」でみてはいけませんよ!
 話は変わりますが、太陽黒点の出現範囲は南北中緯度(5度〜40度の範囲)に集中しており、極付近にはめったに(というか、まず)見られないです。
 黒点の平均的な寿命は2週間程度と言われています。しかし寿命についても様々で数日経ったら消えてしまうものから、1ヶ月程度の長期にわたり観測されるものまで様々です。

太陽光の正体見たり、七色かな

 雨の降った後に太陽がさんさんとあたりを照らし出すと、太陽方向と反対に虹ができます。これは太陽光線が空中にある小さな水滴により屈折されるのですが、光の波長の屈折率が色により異なることから虹という形で私たちの目に入ってくるのです。それを手ごろに見ようと思ったら、何か光を屈折させるもの(たとえば透明度の高いアクリルとかビニールで出来た屋根などでも)に太陽光線を通すことにより見ることができます。あるいは車の洗車するときに使うシャワーによっても虹は作ることが出来ますね。
 虹は7色といわれていますが、よく見てみると赤・橙・黄色・水色(青?)・紫くらいしかわかりませんね。7色に分解できる人はいるのでしょうか???(下の写真、あなたは何色に見えますか?私には、赤・橙・黄・青・紫しか識別できません教わったことよりも実際に見てみましょう!

空に出来た虹です!虹は太陽スペクトルを見ていることと同じです。


 もうひとつ、環天頂アークと呼ばれる現象が見られることがあります。これは「逆さ虹」とも呼ばれ、太陽と同じ側の空の高い場所に見られます。またこの現象は虹と違い、うす雲が空を覆っているときに見られ、虹が細かい水滴に太陽光が当たることで生じるのとは違い、六角板状になっている空中の氷の結晶(ダイヤモンドダスト)によって太陽光線が虹色に分かれることにより起きる現象です。
 この現象は、太陽高度や気象条件に条件があるため比較的珍しい現象であることに加えて、虹と違い、高度の高い場所に出現することから、余り気づくことはありません。(人間の目は、左右に比べて上下の認識度は低いので・・・)
見られたら、ラッキー!
 下の写真は、2012年11月8日の夕方4時くらいに偶然見つけた環天頂アークです。

プロミネンス

太陽活動の象徴・・・プロミネンスです。 こんなに大きなものはめったに見られません!
いつもこんなに大きなものは見られませんので、念のためわっはっは。

太陽を見るときに、もっともエキサイティングに見える対象がこれだと思います。わかり易く言えば、太陽から吹き上がる炎です。時として、太陽の10分の1〜5分の1程度に膨れ上がることがあります。でもこれって凄いことですよ。単純に計算して地球を10〜20個以上並べた距離の炎が吹き上がるんですから。
普段出ている小さな炎も実際の大きさは地球数個くらいの大きさです。
太陽の見かけの大きさはほぼ満月と同じくらいなので月と同じ感覚で見るかもしれませんが、月よりずっと大きいのですからね実際見ると感動するらしいよ
それくらい大きい炎なので、動きも非常にゆっくりです。でも、明らかに生き物のように動いているのがわかるので、ぜひ機会があったら見てみましょう。
これを見るためには、特殊なフィルターなどが必要になるので太陽を見せてくれる科学館や博物館に行くのが手っ取り早い方法です。(私は、岡山県西部の岡山天文博物館に行っています)

オーロラとコロナ

アラスカの空に現れたオーロラです。幻想的な景色になると言われています


みんながみんな、見れるわけではないですが・・・太陽のくれた非常に美しい天体現象がこの2つでしょう。
まず、オーロラですが太陽活動が活発なときに地球の極地方で見ることができる光のカーテンです。時として北海道周辺や東北地方でも見られることもあります。
これは太陽から発せられるプラズマの風(太陽風)が地球の磁場につかまって相互作用をして発光する現象です。地球だけでなく、磁場の有る星(土星や海王星など)でも同様の現象が確認されています。太陽風が強いほど発生することが多くなるので、太陽活動の極大期(11年ごとにくる)にはよく見られるというわけです。
私は、見たことがありません。見ることもないかもしれません。時期をあわせて、カナダなどに行けば見れるかもしれませんが・・・お金と時間がねぇ…

コロナは、皆既日食のときに見ることができるプラズマです。温度は数百万度…かな、あるといわれていて太陽本体に比較しても非常に高いことがわかります。写真のように、黒い太陽を包み込むように光っているのがコロナです。
コロナは、太陽から出る磁力線に沿って宇宙空間に広がっていきます。これが、太陽風というプラズマの流れとなるのです。

皆既日食の写真。一度見ると病みつきになるそう・・・      皆既日食の終了時に見られるダイヤモンドリングです

写真はいずれもNASA

左の写真が皆既日食時のコロナ・右の写真が皆既日食終了時のダイヤモンドリングと呼ばれている現象。また、小さなプロミネンスが見えています。小さいといっても地球くらいの大きさはあります。

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