indexに戻ります!

太陽系の不思議 星空の不思議 銀河宇宙の不思議 用語解説

彗星・流れ星の不思議

広大な宇宙を雄大な軌道を描いて、私たちに時として美しい姿をみせる彗星。人はほうき星といいます。その多くは、海王星よりはるか彼方の天体からやってきます。そして太陽に近づくにつれて、雄大で美しい尾を引いて私たちの前に姿を見せること・・・もあります
また、彗星が残していった沢山の塵から私たちが見たら幸せになる流れ星が生まれます。二つの天体は、似て非なるもの、しかしその元は同じかもしれません。何より私たちを幸せな気分にしてくれるという意味では・・・

ウエスト彗星

彗星とは?

 彗星とは、汚れた雪だるまというあまりありがたくない名前で呼ばれていますが、たいていは長い楕円軌道をもち、太陽の周りを回る天体です。それなら、惑星と似ているではないかと思われるでしょうが、そのとおり。彗星は、私たちの惑星の遠い兄弟みたいなものです。
 彗星には、その周期によって3種類あります。
 まず、周期が200年以内で太陽を一周する短周期彗星、 200年以上の長い周期を持つ長周期彗星、そして太陽に近づいてはくるものの、その後は宇宙の果てに消えてしまう非周期彗星です。

短周期彗星

短周期彗星の経路図

長周期彗星

長周期彗星の経路図

提供:国立天文台 天文情報センター

 彗星の故郷は、短周期彗星は海王星よりも遠くに広がる小天体の集まりである太陽系外縁天体、長周期彗星や非周期彗星は惑星よりずっと遠い・・・そう距離にして数万AU(太陽と地球の距離の数万倍)に広がるオールトの雲と言われているエリアからです。 そこにある小惑星程度の天体が、何らかの原因でバランスを崩し、太陽の引力によって太陽に向かう長い長い旅に出るのです。
 しかし地球の距離の数万倍まで力(引力)を及ぼす太陽の力って偉大ですよね。

彗星は何から出来ているの?

 では彗星は何から出来ているのでしょうか?
 彗星の本体は大きさが数キロ〜数十キロの小惑星に似た天体です。それが太陽に近づくにつれて本体が暖められガスや塵を放出します。このとき彗星の本体は地球から見るとぼんやりとした光の天体に見えます。これを「コマ」と呼んでいます。やがて太陽と地球くらいの距離まで彗星が近づいたとき、このガスや塵が、太陽の光の圧力や太陽風によって流され、長い綺麗な尾を作るのです。
 このときまき散らされた塵が、流れ星の原料となるのです。

彗星の構造図
提供:国立天文台 天文情報センター

流れ星・流星とは?

 流星(流れ星)は宇宙空間に広がる直径が1mm以下のものから最大数センチの塵が地球の大気に飛び込み、高温になって発光する現象です。
これは宇宙空間に塵がある限り、条件さえそろえばいつでも見られる現象ですが、塵が多ければ多いほどたくさんの流れ星が見られることになります。先に書いたように彗星は太陽の周りを回る際に大量の塵をその軌道上に残していきますので、彗星の軌道と地球の軌道が交差している場合、そこを地球が通過すればたくさんの塵が大気中に飛び込んで発光現象を起こします。
これがいわゆる流星群と呼ばれる現象です。地球の軌道と周期彗星の軌道は変わりませんので、流星群は毎年、ほぼ一定の時期に生じます。そしてその流れ星が流れてくる方向(これを放射点と呼びます)にある星座を指して、○○座流星群と呼ぶのです。

提供:国立天文台 天文情報センター

主な流星群

1年を通して、出現しやすい主な流星群は下の表のとおりです。
なお、1月の「しぶんぎ座流星群」、8月の「ペルセウス座流星群」、12月の「ふたご座流星群」は特に毎年安定して沢山の(数十個/毎時)ながれるので、三大流星群と呼ばれています。
この中で、11月のしし座流星群ですが、2001年に1時間当たり1000個前後といわれる大流星雨を記録しています。この流星群は、母彗星であるテンペル・タットル彗星が33年周期であることから、約33年を目処に流星雨が起きることが過去の記録からも読み取れるようです。

流星群名称 出現期間  極大日   流星の数(毎時)
☆ しぶんぎ座流星群  1月1日〜7日  1月4日前後 約40 
4月こと座流星群  4月15日〜25日 4月22日前後  約10 
みずがめ座η流星群  4月25日〜5月17日  5月6日前後  数個 
やぎ座α流星群   7月3日〜8月15日  7月29日前後  少し
みずがめ座δ南流星群   7月12日〜8月19日  7月27日前後  数個
☆ ペルセウス座流星群 7月17日〜8月24日   8月13日前後  約50
はくちょう座κ流星群  8月3日〜8月25日  8月20日前後  少し 
 10月りゅう座流星群 (ジャコビニ流星群)  10月6日〜10月10日 10月8日前後   少し
オリオン座流星群  10月2日〜10月30日   10月21日前後 約40 
 おうし座南流星群  10月15日〜11月30日 11月5日前後   少し
おうし座北流星群  10月15日〜11月30日   11月12日前後  少し
しし座流星群  11月10日〜11月25日   11月18日前後  約10※
☆ ふたご座流星群 12月5日〜12月20日  12月14日前後  約80 
こぐま座β流星群  12月17日〜12月25日  12月22日前後   少し

国立天文台Website参照


最後に・・・

 ふっくんは、彗星といえば小学校のときに憧れたハレー彗星・・・結局は見られませんでしたが・・・と、1997年に長期間にわたって現れたヘールボップ彗星、そして2007年に突然大増光したホームズ彗星でしょうか。特にヘールボップ彗星は、肉眼でも西の空にはっきりと巨大な尾を引いている姿が本当に美しかったです。多分、これ以上の大彗星は見られないだろうなと思いました。また大増光後のホームズ彗星は、宇宙戦艦ヤマトで見た彗星帝国のように光の渦が見えるようでした。
 流れ星は、特に意識してみることはないのですが、2001年のしし座大流星雨は体調不良で見られなかったのが残念です。でも、あの騒ぎで何人かが流れ星になったとか。。。
 ただ、流れ星といえば過去に2回・・・一回は望遠鏡で星を観察しているとき、もう1回は双眼鏡で夜空を見ているとき、その視界にさっと流れ星が流れたことがあります。望遠鏡や双眼鏡の狭い視界に流れる流れ星は、幸せな気持ちを倍にしてくれますね!番外編として、私の望遠鏡で星を見せてあげているときに一人それを見た人がいたことも覚えています。

宇宙の不思議
太陽の不思議 月の不思議 日食・月食の不思議 満潮・干潮の不思議 惑星の不思議 彗星・流れ星の不思議
星の明るさと色 星の誕生と死 星の大きさ比べ 星雲・星団の不思議
天の川の正体は? 銀河って何? 銀河群・銀河団とは? 宇宙の将来は?
用語解説:恒星・太陽  星雲・星団  観測・天文台  銀河宇宙
ふっくんの星空散歩