indexに戻ります!

太陽系の不思議 星空の不思議 銀河宇宙の不思議 用語解説

銀河って何?

 空の暗い場所に行くと、秋の天の川でペガサス座とカシオペア座の間にぼんやりとした光のしみを見つけることができるかもしれません。これはアンドロメダ座にある星雲ということで、古くはアンドロメダ星雲と呼ばれていました。しかしこれが私たちの住んでいる銀河系内の天体ではなく、はるか彼方に浮かぶ他の天体(銀河)であることがはっきりと分かったのは、20世紀に入ってからのことでした。
 私たちの太陽系がある天の川銀河のはるか彼方には、同じような星の大集団、銀河があります。そして星に様々な個性があるように、銀河にも様々な個性があります。これから銀河の世界を見てみましょう。

様々な銀河

 銀河はかつては小宇宙、島宇宙と呼ばれていました。
 銀河とは、簡単に言うと相互の引力によって1つにまとまった星の大集団で、星のほかにも星間物質や暗黒物質も含まれています。平均的な銀河には1000億程度の恒星(太陽のように自ら輝く星)が集まっていますが、その幅は広く、数十万個程度の小さな銀河から、おとめ座のM87のように銀河系の10倍以上の(1兆個以上!?)星を有する銀河まであり、そのような様々な銀河が宇宙には数千億個あると言われています。
 さて銀河には、様々な形態があります。
 私たちが銀河というと思い浮かべるのが、円盤部に綺麗な渦巻きを伴った渦巻銀河です。渦巻きの中央にはバルジと呼ばれるやや厚く、球形の形をした星の塊があります。また、このバルジが棒状になったものを棒渦巻き銀河と呼んでいます。
 一方、渦巻きの腕がなく、球体の形をした銀河を楕円銀河と読んでいます。そして渦巻銀河と楕円銀河の中間くらいな銀河・・・渦巻銀河ほど円盤部がはっきりせず、凸レンズのような形をした銀河をレンズ状銀河と呼びます。
ほかにも大きな銀河に連れ添うように付いている矮小銀河(銀河系で言えば、大マゼラン星雲や小マゼラン星雲)、様々な外力により不規則な型になった不規則銀河などがあります。
 アメリカの天文学者エドウィンハッブルはこれらの銀河を形によって分類しました。これはハッブルの音叉分類と呼ばれており、銀河の進化を示したものと当時は言われていましたが、現在はひとつの銀河が時を経てこのように変化するということは否定されています。

ハッブルの音叉分類

 1926年に発表されたハッブルの音叉分類は、楕円銀河がレンズ状銀河を経て、渦巻銀河あるいは棒渦巻銀河に進化するということを表したものです。現在は、この考え方は否定されていますが、銀河の分類として現在も用いられています。
 まず、楕円銀河ですが球形から楕円のつぶれが大きくなるにしたがってE0からE7まで細分されています。E7の次にあるのが、レンズ状銀河でこれはS0と表記されます。S0の次は渦巻銀河となりますが、バルジから明るい腕が外側に向かって巻きつくように伸びているのが渦巻銀河(S型)、バルジが棒状に伸びて、その両端から渦巻き腕が伸びているが棒渦巻き型(SB型)とし、さらにその腕の開きが大きくなるにしたがって、a,b,cの小文字をつけて細分化しています。

マゼラン星雲と局部銀河群

 ふっくんの世代だと、マゼラン星雲といえば「宇宙戦艦ヤマト」を思い出します。謎の星「ガミラス」の攻撃を受けて放射能に汚染された地球を救うために、大マゼラン星雲にある惑星イスカンダルにコスモクリーナーを取りに行くべく、先の大戦で沈没した戦艦大和が蘇る(しかもほぼかつての原型を保ったまま)設定など、なんとも凄いアイデアだと思ってしまいます。普通に考えたら、人類滅亡が迫る中、何も赤錆のボロ船など改造しなくても、一から造れば効率的だと思うのですが、そこをあえて「大和」を使うあたりが日本人の魂を揺さぶるんでしょうね。武蔵でも長門でもなく、大和だからこそかもしれませんが。。。余談でした♪
 さて、マゼラン星雲は日本からは残念ながら見えません。南半球の「かじき座」の脇にあるのが大マゼラン雲、「きょしちょう座」の脇にあるのが小マゼラン雲で、いずれも16世紀にマゼランの世界航海の際に目撃され、それが北半球の天文学者に伝わって大小マゼラン雲と呼ばれるようになりました。距離は、大マゼラン雲が16万光年、小マゼラン雲が20万光年といわれています。いずれも銀河系に比べたら小さく、形も不規則で、銀河系の伴銀河と考えられます。ただ、どちらの銀河も星間物質は多く、星形成が盛んに行われていると思われます。
 そして、銀河系と大小マゼラン雲はお隣の巨大銀河アンドロメダ銀河やさんかく座の銀河など半径数百万光年の範囲の大小50前後の銀河で局部銀河群を形成しています。

様々な活動銀河

 銀河の中には、活動銀河というものがあります。
 活動銀河といっても、宇宙をそこら、ここらと走り回る銀河ではありません。銀河の中心付近の活動が非常に活発で、強大なエネルギーを生み出している銀河のことです。ではそのエネルギーの源はどこから来るのかというと、銀河中心核に潜んでいるブラックホールではないかと考えられています。
 ブラックホールの周りにあるガスや塵が、周囲に降着円盤というものをつくると、そこを舞い落ちるガスや塵はエネルギーに変換され、様々な波長の電磁波を発することになります。その電磁波はたとえば紫外線であったり、可視光線であったり電波であったりします。その放射される電磁波の種類と、活動状況によって、活動銀河には「電波銀河」や「セイファート銀河」「クエーサー」などがあります。
 なお、活動銀河も中心核のブラックホール周りの塵やガスを食べつくしたら・・・おとなしい普通の銀河になるようです。・・・逆を言えば、塵やガスが貯まったら、また活動銀河になるのかもしれませんね。

宇宙の不思議
太陽の不思議 月の不思議 日食・月食の不思議 満潮・干潮の不思議 惑星の不思議 彗星・流れ星の不思議
星の明るさと色 星の誕生と死 星の大きさ比べ 星雲・星団の不思議
天の川の正体は? 銀河って何? 銀河群・銀河団とは? 宇宙の将来は?
用語解説:恒星・太陽  星雲・星団  観測・天文台  銀河宇宙
ふっくんの星空散歩