indexに戻ります!

太陽系の不思議 星空の不思議 銀河宇宙の不思議 用語解説

銀河群・銀河団とは?

 私たちの天の川銀河(以下、銀河系と呼びます)はアンドロメダ銀河を含む局部銀河群に所属しているということは「銀河って何?」でご説明しました。言ってみれば、これは銀河の村であり、他にも銀河群と呼ばれるものはいくつもこの宇宙にあります。そしてその銀河群が集まって銀河団、さらに銀河団が集まって超銀河団・・・ひいては宇宙そのものを造っていると考えられています。
 では、宇宙の構造をなすひとつの単位とも言えれる銀河群・銀河団を見てみましょう

銀河群とは?

 実は、銀河というのは星スケールで考える平均恒星間距離よりかなり密接して存在しています。
たとえば、錠剤(直径5mm)の大きさを太陽とすれば、一番近い恒星(ケンタウルス座α星=4.3光年)までの距離はおよそ150kmかなたになります。しかし同じ錠剤を銀河系と考えると、おとなりのアンドロメダ銀河(=230万光年)まではわずか12cmたらずです。
  銀河は、銀河スケールで見ると意外と近接しているようです。 私たちの銀河系は、局部銀河群と呼ばれる半径数百万光年、個数50程度の銀河の集まりですが、その外を見ると、別の銀河群が見えてきます。
 たとえば、くじら座I銀河群(M77、NGC1055など)、ちょうこくしつ座銀河群(NGC253、NGC247など)、M81銀河群(M81、M82など)、M101銀河群、M51銀河群などです。他にもヒクソン・コンパクト銀河群という銀河群がいくつか見つかっています。
 明確に、銀河団と銀河群を分ける基準はありませんが、おおむね銀河団は、数個〜数十個の銀河が一塊になっている集団を言うようです。

銀河団とは?

 銀河団とは、数千万光年の範囲に、数百〜数千個の銀河が分布している集まりのことをいいます。代表的な銀河団は、「おとめ座銀河団」や「かみのけ座銀河団」「うみへび座銀河団」などが挙げられます。
 おとめ座銀河団は、私たちの局部銀河群に一番近い銀河団です。
 近年の観測により他にも銀河団はたくさんあることが分かりました。そして、1958年に2712個の銀河団のカタログをまとめたエイベル・カタログが作られました。しかしこれは北半球のみで観測された数で、後に南天の銀河団1361個が付け加えられています。

 銀河の多くは必ずどこかの銀河群、あるいは銀河団に属しており、完全に単独で孤立した銀河は殆どないと考えられています。そして銀河の集まった、銀河群や銀河団もまた単独では存在せずにいくつもの銀河群や銀河団が集まって1億光年を超える大規模な集団構造を作るようになります。これが超銀河団です。
 超銀河団は、宇宙空間に壁のような銀河の集まり(これをウォールといいます)を形成しており、ウォールとウォールの間に殆ど銀河の存在しない数億光年にわたる巨大な空間(これをボイドといいます)があることも分かりました。
 このようなウォールとボイドがたくさん組み合わさったネットワークのような形は、洗剤の泡の表面に沿って銀河が分布しているのに似ていることから、宇宙の泡構造または宇宙の大規模構造といわれています。

最後に・・・

 銀河というと、渦巻きを巻いたものを思い浮かべる人が多いと思いますが、渦巻銀河や棒渦巻銀河は意外にも銀河全体の2割以下のようです。殆どの銀河が、楕円銀河など丸い形をした銀河のようです。また、楕円銀河は大型のものも多く、おとめ座銀河団の中核をなすM87などは銀河系の10倍以上の質量を持つといわれています。ただし、楕円銀河に属する星は、古い星が多く、また渦巻銀河のように若い星が群れをなすような部分もないようです。
 もし人類が、我々の住む銀河系を離れ、銀河団や超銀河団を旅するようになるようなら、そのときの人々はなにを見るのでしょうか?何億光年という旅は現実には不可能かもしれませんが、私たちは今まで得られた観測データを基に、コンピュータを使い、豊かな想像力を駆使して、数億光年の旅も難なくこなしているような気もします。
 しかし、現実に広がる宇宙の姿は、それ以上のものを見せてくれるのかもしれませんね・・・。

宇宙の不思議
太陽の不思議 月の不思議 日食・月食の不思議 満潮・干潮の不思議 惑星の不思議 彗星・流れ星の不思議
星の明るさと色 星の誕生と死 星の大きさ比べ 星雲・星団の不思議
天の川の正体は? 銀河って何? 銀河群・銀河団とは? 宇宙の将来は?
用語解説:恒星・太陽  星雲・星団  観測・天文台  銀河宇宙
ふっくんの星空散歩