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太陽系の不思議 星空の不思議 銀河宇宙の不思議 用語解説

宇宙の将来は?

 宇宙はどこから来たのか?そしてこれからどうなっていくのか?それは太古からの謎でした。宇宙は、ビックバンという大爆発から始まったといわれています。では宇宙の将来は、どのようになっていくのでしょうか?

ハッブルの法則と宇宙の膨張

 1920年代にハッブルは数多くの銀河までの距離を測定し、銀河の集まり(銀河団や銀河群)は宇宙に均等に分布していると考えていました。 また、ハッブルは銀河からの光を分光観測することにより、銀河の多くは遠ければ遠いほど、高速で遠ざかっていることを発見しました。これは、銀河からの光のスペクトル中の特定元素による暗線の位置が、本来あるべき位置より長い波長の方で観測されたため、それは銀河が我々から遠ざかっているためではないかと考えたからです。これは光のドップラー効果といわれ、この現象は赤方偏移として説明されました。ドップラー効果とは、光源(あるいは音源)が近づくときには、高い周波数で、遠くなるときは低い周波数で観測されることです。身近な例では、緊急車両(救急車など)の通過の際に実感できると思います。
そして銀河の距離とこの赤方偏移はほぼ正比例の関係を示し、この関係はハッブルの法則と呼ばれるようになりました。
 このことから、宇宙全体が広がっている事実が判明したのです。

ビッグバンと宇宙の進化

 殆どの銀河が現在観測されている速度で膨張をしているということは、はるか昔に宇宙の全ての天体は同じ点から膨張を始めたということができます。おそらくそれは宇宙の大爆発から生じたものだろうということで、これは「ビッグバン」と呼ばれるようになりました。しかしその証拠となるような発見はありませんでした。
 1965年にアメリカのベル研究所で、研究者が電磁波のマイクロ波領域の研究を行っていた際、アンテナに正体不明の雑音を拾うことに気が付きました。最初は街からの電波の雑音かと思って、街のほうにアンテナを向けないようにしました。またアンテナに付いた鳩の糞じゃないかということでアンテナの掃除をしても、装置の欠陥を修正しても、どうしてもその雑音は消えず、またどの方向に向けても同じレベルの雑音が入ることから、この雑音は装置ではなく何か別の原因ではと思うようになったのです。
 その後の研究から、これは銀河宇宙全体から、殆ど信号強度の変化がなく来ていることが分かり、これがビッグバンの初期段階で宇宙に放射された電磁波であると考えられ、この成果が宇宙がビッグバンから始まったという強力な裏づけとなったのです。 (ビッグバン当初は短波長の強力な電磁波だが、宇宙が大きく広がることにより、電磁波も赤方偏移を受けて長い波長のマイクロ波となって観測された)。

 ではビッグバンがおきてから宇宙はどのように進化したのでしょうか。
 現在の研究では、ビッグバン後の数分(というか非常に短い時間で)宇宙に存在している全ての元素の合成が始まったと考えられています。そのときの温度は数十億度。やがて数十万年のときを経て、宇宙の温度が3000度程度になると水素とヘリウムの原子核は電子と結合し、原子を・・・そして原始同士がくっついて水素分子を作り出すようになりました。そうなるとそれまでプラズマ状態の自由電子がなくなり、その結果、電磁波を邪魔するものはなくなることから、光(光も電磁波のひとつです)が直進できるようになり、全てが見通せるようになりました。これを「宇宙の晴れ上がり」といいます。
 その後、宇宙は重力の影響を受けながら進化するようになります。生み出された水素とヘリウムは宇宙全体に一様ではなく、多少の密度のばらつきがありました。密度が周辺より高いところでは、重力がやや大きいことからさらに周辺の水素やヘリウムを集め、その密度差を広げるようになり、宇宙の物質量にゆらぎを生じさせる結果となりました。
 その中で重力によりガスが集まった後に宇宙最初の星が輝くようになったのです。生まれた星は大小さまざまだったでしょうが、大きなものは太陽の100倍近い星もあったかもしれません。
 やがてそれらの重たい星は超新星爆発を起こして、様々な物質(元素)を宇宙空間に放出しました。それらがまた集まって、第二世代、第三世代の星を形作るようになったのです。
 また、大量のガスが集まった場所は多くの星が生まれ、それがやがて銀河を造り、その銀河が集まって銀河団や銀河群を形成するようになりました。
 宇宙最初の星は、宇宙誕生より2億年後、そしてクェーサは10億年後、我々が見ているような銀河は宇宙誕生から30億年後に形作られたと考えられています。そして宇宙誕生から約90億年を経て、私たちの太陽と太陽系が生まれ、現在に至っているのです。

宇宙の運命を決める暗黒物質

灼熱の惑星「金星」 私たちが見ている星や銀河、星雲など・・・私たちはそれら全てが宇宙全体だ、宇宙の殆どを占めていると思いがちですが、実際は、光り輝く宇宙は多く見積もっても宇宙全体の5%程度だというと、皆さんは驚かれるでしょうか?近年の観測で、宇宙の質量の殆どは暗黒物質や、暗黒エネルギーが占めているだろうと言われています。
暗黒物質の発見は、銀河の回転速度によって広く知られるようになりました。例として太陽系で見てみると、太陽からの引力が少ない分、遠くの惑星ほどゆっくりとした速度で公転しています。(ケプラーの第三法則) 渦巻銀河も回転してるのですが、銀河の回転速度は、殆どの質量が中心(バルジ)にあるのに、近くも遠くもほぼ同じ速さで公転していることがわかったのです。これは遠くのものを中心に強く引き付ける目に見えない物質があるはずである。そしてそれは銀河全体を取り囲んでいるのではないか、また回転速度からの計算から、その物質量は銀河そのものの10倍程度と計算されました。
観測不可能な謎の物質・・・これを暗黒物質(ダークマター)と呼ぶようになりました。
さらにIa型超新星の観測により、膨張宇宙の膨張をさらに加速させている謎のエネルギー・・・暗黒エネルギーの存在が明らかになりつつあります。
しかし現在の科学では、暗黒物質の正体も暗黒エネルギーがなんであるかも明らかにすることはできていません見てみたいのですがね。しかしながら、これらの物質が宇宙の大半を占めており、宇宙の何たるかを示しているのではないでしょうか?

星の王子様にきつねがこう語りかけます。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ」・・・うーん、宇宙論にも通じるのか

宇宙の未来

 ここまで、宇宙の誕生とその進化、そして宇宙の今後について鍵を握る暗黒物質、暗黒エネルギーについてみてきました。では宇宙の未来はどうなるのでしょうか?
 宇宙の未来を決めるのに重要な要素は、重力です。つまり宇宙が膨張する割合との比較で重力がどれくらい大きいかというです。
  おおきなストーリーは3つあります。 まず、宇宙の膨張が永遠に続く場合です。これは宇宙が膨張する力を止めるだけの重力、・・・つまり宇宙の物質量が少ない場合で、気が遠くなるような非常に長い時間で星の材料となるガスがなくなり、やがて新しい星は生まれなくなります。そして今輝いている星も全て死に絶え、星の集団である銀河も消えて無くなるだろうと考えられています。また最終的にはブラックホールさえも蒸発し、宇宙にはごく少量の素粒子があるだけというさびしい世界になります。これを「開いた宇宙」と呼んでいます。
次に宇宙の膨張を止めるだけの重量・・・物質量があれば、いずれ膨張はとまり、宇宙は収縮へ向かいます。その後、この収縮は加速度的に進行し、最終的にはビッグバンの反対のビッグクランチに至り、宇宙はまた1点に戻ることになるでしょう。これを「閉じた宇宙」と呼んでいます。
最後のストーリーですが、開いた宇宙と閉じた宇宙の真ん中・・・この境目となる物質量と宇宙の物質量・・・重力が完全に等しい場合です。この場合は「平らな宇宙」と呼んでいますが、宇宙は膨張するけど、膨張は止まることなく続くが、無限の時間が経ったとき膨張速度は0になるというものです。よくわかりませんね。

最後に・・・

 なんだか、宇宙の将来といってもよく分からない面がたくさんあります。でも、間違いないのは私たち誰一人として太陽系の終焉や宇宙の終焉をみることはないということです。もしかしたら、私たちが生きている間に宇宙統一理論なるものができるかもしれませんが・・・それを確かめることはないということです。
 しかし、人類の最期を見る可能性は、0ではないですね。。。発達した文明は自らの力で自らを滅ぼす・・・誰かこのようなことを言っていたようですがね、現実になりそうな気配もあります

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