用語解説(銀河宇宙)
ハッブルの法則
夜空に見える銀河のスペクトル偏移(赤方偏移)から求めた後退速度が、それらの距離に比例するという法則。1929年に発表された。これが宇宙の膨張を示す証拠とされ、同時に銀河までの距離を測ることができるようになった。
ハッブルの銀河分類
ハッブルが銀河の進化を考える上でさまざまな形の銀河を分類したもの。銀河は楕円銀河から渦巻銀河・棒渦巻銀河に進化していくと考えられた。分類の形が音叉に似ているため、銀河の音叉分類と呼ばれている。
楕円銀河
楕円形の銀河、ただし短軸と長軸の比が0.3以上である。E0〜E7銀河といわれる
レンズ状銀河
凸レンズの形をしているが周辺の円盤部分に渦巻きが見えないもの。S0銀河といわれる。
渦巻銀河・棒渦巻銀河
中央のふくらみ周辺に渦巻き構造を持つ銀河・渦巻きの腕が中央部を貫く棒状構造の両端から出ているものを棒渦巻銀河という。
不規則銀河
形が不規則である銀河。
クェーサー
一見恒星に見えるが、スペクトルの赤方偏移観測から非常に遠い銀河であると考えられている。距離と明るさから計算した実光度は通常銀河より数十〜数百倍明るい。
重力レンズ効果
巨大な銀河や銀河団の重力により、その背後にある天体からの光がレンズ作用のように曲がる現象。一般相対性理論の観測証拠といわれている。
銀河群
銀河集団のうち、個数が数十個程度までの小規模なものを指す。
局部銀河群
天の川銀河(我々の住む銀河系)とお隣のアンドロメダ銀河(M31)を中心とする個数30前後の銀河群を特別にこのように呼んでいる。その多くが矮小銀河(非常に小さく、暗い銀河)である。
銀河団
若い散開星団の輝き、あるいはその光を反射することにより周辺の星間ガスが光るもの。大きさは、数十光年。暗黒星雲と絡み合って、複雑な形を呈することがある。
ボイド(空洞)
直径1億光年あるいはそれ以上の範囲で銀河が殆ど存在しないエリアを指す。観測により宇宙の大規模構造が明らかになってわかった