用語解説(星空・星団など)
天球
空を仮想のプラネタリウムと見立てて、天体の方向を表示するために考えられた半球体。観測者はその中心にいるとしている。
赤道座標
地球の赤道と南北の極を天球に投影して、地球の緯度に相当するものを「赤緯」、地球の経度に相当するものを「赤径」として天体の位置を表記する座標系。「赤緯」は度数表示だが、赤径は春分点から東向きに時間記法ではかる。(15度=1h、15分=1′、15秒=1″)これは星の観測で、日周運動によって一時間後には赤経が一時間大きい星が見られる事になり、観測や計算が便利なためである。ただし、歳差のため毎年座標がずれるので「○○年分点」という呼び方で星の位置は示される。(現在は一般に2000年分点表示)
地平座標
頭の真上を天頂、地平線上の東西南北をそれぞれ、東点・西点・南点・北点と呼ぶ。地平座標では、天体位置は高度と方位角で表す。方位角は北を0度とし北→東→南→西の方向で測る。つまり西は、方位角270度である。
歳差
地球の自転軸がちょうど傾いたコマの軸のようにふらつき運動を起こすため星の位置が年を追うごとにずれていく現象。約25800年で赤道の極を1周する。この影響で、現在の北極星も数千年後には北極星でなくなる。
二十四節気
旧暦で黄道(太陽の通り道)を24等分して太陽がその地点を通る日付を暦につけて季節を表す目印とした。そのことを指す。昔は月を基本とした太陰暦なので、暦の月日と季節は必ずしも一致しないため、季節を知るためにこのような方法がとられた。
星座
元々は約5000年位前にメソポタミアの遊牧民が空の星を適当に組み合わせて様々な神話の主人公や動物を形作ったもの。その後プトレマイオスがまとめ、後の大航海時代に南半球の星座が作られたが、1930年に国際天文学連合で全天を88の星座に整理統合したものが現在まで使われている。
天の川
夏に銀河面近くに密集した星の光が重なって、光の帯のように見えるのを川に見立てたもの。我々の住んでいる銀河系を内側から見た姿である。
散開星団
分かりやすく言えば星の(小〜高等)学校である。10前後から数百の星の集団である。一般には星はまばらに散らばっている。(⇔球状星団)金属元素を含む若い星が多いのが特徴である。
球状星団
分かりやすく言えば、星の老人ホーム。数万から数百万の星が球状に密集している。銀河内にはなく多くは銀河を取り囲むハローに広く分布する。
散光星雲
若い散開星団の輝き、あるいはその光を反射することにより周辺の星間ガスが光るもの。大きさは、数十光年。暗黒星雲と絡み合って、複雑な形を呈することがある。
惑星状星雲
太陽程度の重さの星がその終焉時にガスを放出するが、それが高温の中心星により励起されて光り輝く星雲。円形・楕円形・リング状・鉄アレイ状?など比較的形が分かりやすい。望遠鏡で見ると、惑星に似ているためこの呼び方がある。
暗黒星雲
星や銀河の前にある星間雲(水素・ヘリウムを主成分とした密度のやや高いガスや塵)が背景にある光を遮断し、見かけ上影絵のように浮かび上がる星雲。