うしかい座(Bootes)

 うしかい座は、春の代表的な星座のひとつで4月ごろに東の空に登ってくるネクタイ・・・あるいはチョコレートパフェのような星の並びをした星座です。・・・といっても分かりづらいのですが、オレンジ色の明るい星が見えたらそのあたりがうしかい座と思って間違いありません。
 オレンジ色の明るい星は、アークトゥルス(熊の番人という意味)といい、日本では「麦星」と呼ばれています。これは6月ごろ、麦刈りが始まる頃に天頂に輝くことからこのように呼ばれるようになったからとか。またハワイではこの星をホクレア(幸せの星)と呼ぶみたいです。さて、アークトゥルスとは熊の番人という意味ですが・・・もちろん熊とは「おおぐま座」のことを指しています。
 ところでこのうしかい座・・・モデルは何者かというとよくわかりません。一説には、天を担ぐ巨人「アトラス」といわれていますが、天を担ぐ巨人がなんで牛飼いなのか?そしてどうしてその1等星が牛の番人ではなく熊の番人という意味なのか? 謎は深まるばかりです。
 もうひとつ・・・うしかい座にはお供の星座として「りょうけん座」を連れています。りょうけん座とはもちろん猟犬のこと・・・星座絵ですと2匹の犬が描かれています。そしてこの2つの星座が追い立てているものが熊・・・すなわち「おおぐま座」なのです。 
 下の写真にマウスを載せるとうしかい座の星座線がでてきますよ!

 ところで、うしかい座のアークトゥルスは同じく春の代表的な星座おとめ座の一等星スピカとおおぐま座の北斗七星との間で「春の大曲線」を形づくっています。またこの星は男らしい麦色であること、またスピカは美しい白色であることからこの二つの星を「春の夫婦星」と日本では呼んでいます。
 春の夫婦星というのであれば、どうして近くないの?と思うかもしれませんが・・・ご心配なく。アークトゥルスは凄い速さ(秒速約130km)でスピカの方向に向かっています。(見かけ上の話ですが)ですから、およそ6万年経てば、スピカのそばで本当の夫婦のように輝いているはずです・・・ただし、その後はまた離れて行くです(笑)   でも、実際のところアークトゥルスは老年期を迎えたお爺さん星で、スピカは若々しい乙女星です。ですからおじいさんが孫娘に会いに行くというのが・・・いいかもしれませんね。

 上の画像が、現在の星空です。約6万年後には下のようになります。(星座線は入れていません)ほんとうに仲良く並んでいますね。その頃には、春の大曲線も春の大三角も違ったものになっているでしょう。