おとめ座(Virgo)

 おとめ座は、星占いでも登場する黄道12星座のひとつで、春の南の夜空に広がる大きな星座です。実は88星座のなかでは2番目に大きい星座なのですが、一等星のスピカ以外は目立つ星もなく、また南側ということで日本では光害に影響されて目立たない星座になっています。
 おとめ座を探すのに便利な方法は、春の大曲線です。北東の空に見えている北斗七星の柄の部分を延長し、その先にうしかい座のアークトゥルスを経ておとめ座のスピカに届く長い曲線です。
 下の写真にマウスを載せるとおとめ座の星座線がでてきますよ!
なお、2013年春に土星はおとめ座に位置しています。スピカの横に輝く一等星が土星です。


 おとめ座のモデルは、大神ゼウスの妹(あるいは姉)であるデーメテルであると言われています。
 デーメテルは、大地に芽吹く全てのものを支配する神でしたが、彼女にはペルセポネという可愛い一人娘がいました。
 ある日ペルセポネが野原で花を摘んでいると・・・その美しさに惚れた冥土の神プルートにさらわれ、その后にされてしまいました。これを知ったデーメテルはひどく嘆き悲しみ、ほら穴に閉じこもってしまったのです。大地の女神が隠れたことで、地上の草木や花が、立ち枯れてしまいました。

 困り果てたゼウスは、ペルセポネを返すようにプルートに命じました。プルートはゼウスの弟・・・仕方なく承知しましたが、地上に帰る前にペルセポネにざくろの実を与えました。1度冥土の食べ物を口にしたものは、2度と地上に戻れないという掟があったからです。(プルートもなかなか悪知恵が働きますね)
 そんなことは露知らぬペルセポネは、その実を4粒食べ、懐かしい母のもとに帰りました。デーメテルは娘の姿を見て、喜んで穴から飛び出しました。すると寒々とした大地はみるみる緑におおわれ、草木は伸びはじめました。

 けれどもペルセポネがざくろの実を食べたことがわかると、デーメテルは再び絶望しゼウスに助けを求めました。困り果てたゼウスはプルートと話し合い・・・妥協点としてペルセポネに毎年8ヶ月を母のもとで暮らし、食べたざくろの実の数にあたる4ヶ月は、冥土のプルートのもとで過ごすようにと取り決めたのです。

 このため娘のいない4ヶ月間は、母の女神はほら穴に閉じこもるようになり、地上のすべての植物も眠りにつくようになりました。これが冬となり地上に四季の区別ができた始まりといわれています。