こぐま座

こぐま座で一番重要な星は、なんと言っても北極星だろう。現在北極星は天の北極に徐々に近づきつつある星で西暦2100年ごろに最も近づき、それからゆっくりと離れていく。これは地球の首振り運動(歳差運動)のためで未来永劫北極星は北極星たりえない。ちなみに星座絵では非常に尻尾の長い小熊が描かれている。これはゼウスが尻尾を持って振り回して天に上げたためとも言われている。
こぐま座はおおぐま座のモデルとなったカリストとゼウスの子「アルカス」といわれている。ゼウスの正室ヘラはこの事実に怒り、カリストを熊にした。やがて月日が流れ、アルカスは立派な猟師になった。ある日山の中で熊になったカリストは、わが息子を見た。懐かしがって近づいたが、アルカスにとっては熊が襲ってきているとしか感じられない。思わず射殺そうと矢を構えた。それを見たゼウスが驚いて、矢を放つ前に親子ともども天に上げたと言われている。しかしヘラの怒りは収まらず、二人を永遠に休ませる(当時は星座が地表面以下に隠れるとき、休んでいると考えられていた)ことのないよう天の北極に位置させてしまったということである。