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太陽系の不思議 星空の不思議 銀河宇宙の不思議 用語解説

星の大きさ比べ

 私たちの地球・・・人間レベルから見れば、非常に大きな星ですね。地球の直径は、およそ12800km、一回りは4万kmあります。そして地球の衛星である月の直径は、地球のおよそ1/4。太陽系最大の惑星である木星の直径は、地球の11倍ある巨大なガス惑星です。
 しかし太陽は地球の109倍、木星の10倍の大きさがあります。太陽から見れば、地球は芥子粒くらいの大きさです!では、太陽は銀河系の中ではどのくらいの大きさになるのでしょうか?・・・芥子粒どころか、どこにあるのか分からないくらいの大きさですね。では、同じ星の仲間で太陽の大きさとはどんなものなのでしょうか?
 ここでは、太陽より小さな星、太陽より大きな星を見てみようと思います。

太陽より小さい星

 星の誕生と死でお話したように、太陽と同じように自ら輝く主系列星になるためには、重量比で太陽の8パーセント以上なくてはなりません。そのような星は太陽近傍だけでもいくつか見つかっています。このような星の絶対光度は暗いので、太陽近傍でしか見つからないのかもしれませんね。
 太陽より小さい星では、たいていが赤色矮星です。
 たとえば、バーナード星というへびつかい座にある星は、半径が太陽の2割程度(木星の倍)、質量は16パーセント程度の赤色矮星です。太陽系に2番目に近い星(約6光年)として知られています。
 太陽系から3番目に近い(7.8光年)星も赤色矮星のひとつであるしし座方向にあるウォルフ359と呼ばれる星です。この星も、半径は太陽の16〜19%程度、質量は10%程度と考えられています。
 太陽系に4番目に近い(8.2光年)星であるラランド21185という星は、おおぐま座の方向にあり、太陽の約半分の大きさと質量を持つ星です。

 他にも、エリダヌス座ε星、ロス154、ロス248、ルイテン726-8など太陽より小さい赤色矮星はいくつも見られ、また惑星系が存在していると考えられている星もあります。

太陽の数倍程度までの大きさの主な星

次に、太陽の大きさに近い星を見ていきましょう。
冬の夜空にきらりと輝く全天で一番明るい恒星であるシリウスは、太陽のおよそ2倍の大きさです。シリウスには小さな伴星があり、この伴星の大きさは、地球のおよそ2倍と考えられています。同じく冬の夜空に輝くプロキオンも、太陽の2倍程度の大きさがあります。こちらはシリウスよりやや黄色じみています。
ふたご座のお兄さん星であるカストルは6重連星ですが、カストルAaで太陽の2.3倍と考えられています。
また、彦星の名前で知られるわし座のアルタイルは太陽のおよそ1.8倍、織姫で知られるベガはおよそ2.1倍の大きさがあります。いずれもスペクトルがA型の非常に高温な星であることや、どちらも星の自転速度が10時間前後(太陽は27日)という驚異的な速さであることが知られています。
秋の唯一の一等星であるフォーマルハウトは、太陽の1.8倍の大きさです。
少々大きくなりますが、しし座のレグルスは太陽の3.8倍程度、これも高速で自転していることからおおきく赤道付近が膨らんでいるようです。おなじくしし座のデネボラは太陽の1.7倍程度です。
他にも食変光星として知られているペルセウス座β星「アルゴル」は主星が太陽の2.3倍、伴星が太陽の3倍、さらにもうひとつの伴星が太陽の0.9倍といわれています。

太陽より大きな星

太陽より何十倍も大きな星・・・を見てみましょう。
春の夜空に輝く巨大な星は、うしかい座のアークトゥルスでしょう。太陽の26倍の大きさの赤色巨星です。また青白く美しい輝きを見せているスピカは太陽の8倍の大きさがあります。
同じく春の星座ヘラクレス座のα星(ラスアルゲティ)は太陽の460倍の大きさを持つ赤色超巨星です。
北の空ではりゅう座のα星(トゥバン)が太陽の260倍ある白色超巨星です。
また、北極星は地球から見れば2等星の余り目立たない星ですが、実際は太陽の30倍もある黄色巨星です。
ベガやアルタイルと夏の大三角を形作るはくちょう座のデネブは、太陽の200倍程度の大きさを持つ白色超巨星です。質量も太陽の20倍以上あり、数千万年後には超新星爆発を経て、中性子星かブラックホールになると考えられています。はくちょう座γ星(サドル)も太陽の200倍以上ある黄色超巨星です。

 夏の夜空に輝くアンタレスは、長く太陽の230倍程度と見積もられていましたが、近年の観測で太陽の700倍以上の大きさを持つ赤色超巨星であることが分かりました。
さて、はくちょう座には、V1489Cygという現在はっきりしている中では最大の恒星があります。大きさは太陽の1650倍といわれ、仮に太陽系の太陽の位置にこの星を置いたとしたら、恒星表面は木星軌道と土星軌道の間に位置してしまうという巨大さです。V1489Cygの位置はデネブの南東付近になります。


秋の夜空の巨星はくじら座のミラでしょう。ミラ型変光星(脈動変光星)のモデルといわれ、星の終末期の挙動をしている星です。直径は、太陽の400倍と考えられています。またケフェウス座にもガーネットスターと呼ばれるμ星があり、この直径は太陽の1400倍といわれています。他にもケフェウス座には、RW星、VV星A、V354星など、太陽の1000倍を越える星が確認されています。
アンドロメダ座にはγ星(アルマク)が太陽の80倍の赤色巨星といわれています。


冬の夜空にも、巨星はたくさん見られます。
代表格は、やはり勇者オリオンに輝く2つの星でしょう。左上に赤く輝くベテルギウスと右下に青白く輝くリゲル・・・ベテルギウスは、太陽の1000倍の赤色超巨星、リゲルは70倍の青色超巨星です。
全天一明るい恒星シリウスを有するおおいぬ座を見てみると、おおいぬ座δ星が太陽の480倍という黄色超巨星です。この星は、ブラジルの国旗にも描かれています。国旗に複数の星座が描かれているのは、この国だけ!?
また、長く最大の恒星と信じられてきたおおいぬ座VY星は、太陽の1400倍程度です。
他には、ふたご座の弟星であるポルックスは、太陽の8倍、おうし座のアルデバランは太陽の40倍、ぎょしゃ座のカペラは太陽の10倍です。


 まだまだたくさんの超巨星があるのですが、後はみなさん自身が調べてみてくださいね。意外な発見があるかもしれませんよ。
 ところで、昔博物館で見た大きさ比べの模型でぎょしゃ座ε星(伴星)が太陽の3000倍というのをはっきりと覚えています。最近の研究ですと、このぎょしゃ座ε星(伴星)は星ではなく巨大なガス雲だと言われています。

最後に・・・

私たちが観測できる星々は、可視光の範囲では地球から半径高々数千光年〜1万光年程度、天の川銀河の中でも一部分にしか過ぎません。宇宙にはそれこそ1000億を超える銀河に、1000億を超える恒星がひしめいています。 本当に宇宙一巨大な星は、誰にも分からないというのが実際のようですね。

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